
Gemini
2025年、祇園祭・後祭が還した本来の姿
前祭(さきまつり)の熱狂から一週間。祇園祭の最後を飾る後祭が、静寂と共に行われました。
7月21日から始まった後祭の宵山。前祭と大きく異なるのは、そこに露店の姿がないことです。そのため、今年の宵山は例年以上にゆったりとした時間が流れていました。押し寄せる人の波に急かされることなく、後祭に登場する11基の山鉾の意匠をじっくりと眺め、響き渡る祇園囃子の音色一つひとつに、じっくりと耳を澄ますことができます。
それは、祭りの本質と静かに向き合う、贅沢な時間でした。
そして24日、後祭の山鉾巡行が執り行われ、同日夜には「還幸祭(かんこうさい)」を迎えます。
還幸祭は、前祭の神幸祭で四条御旅所にお迎えしていた八坂神社の三基の御神輿が、再び八坂神社へとお還りになる神事です。これにより、約一ヶ月にわたる祇園祭の主要な神事はすべて納められます。
昼間の巡行と、神様がお還りになる夜の還幸祭。人々でごった返す喧騒から離れ、本来あるべき神聖な雰囲気の中でこの一連の儀式を見守れたことは、今年の後祭が与えてくれた最も大きな恵みだったのかもしれません。
華やかな賑わいだけでなく、こうした静謐な時間の中にこそ、京都の文化の「純度の高さ」が宿っている。2025年の後祭は、私たちにそう教えてくれているようでした。
宵山・日中









宵山・夜












巡航













還幸祭




