
Gemini
一枚の絵画のような「額縁庭園」と向き合う時間。
三千院からほど近く、宝泉院へ。書院に上がり、息をのみました。柱と柱の間から見える庭園は、まるで一枚の生きている絵画のよう。目に飛び込んでくる生命力あふれる新緑が、静かに心を奪っていきます。
この景色を眺めながらいただくお抹茶は、また格別です。ほろ苦いお茶と上品な甘さのお菓子が、凝り固まった心と体をゆっくりと解きほぐしてくれる。まさに、静かで贅沢なひとときでした。
ふと周りを見渡すと、様々な国の言葉が聞こえてきます。かつての静かな穴場という雰囲気は薄れつつあるのかもしれません。けれど、国籍の違う人々が皆、同じようにこの庭に見入り、感嘆のため息をもらしている。この美しさを美しいと感じる心に国境はないのだと、静かな感動が胸に広がりました。


